活動

令和5年12月 中学校における自閉症・情緒障害の特別支援学級の固定制について

議会報告

中学校における自閉症・情緒障害の特別支援学級の固定制について

私は9月議会において、不登校の問題を取り上げましたが、実はこの問題同様に、市民の方から相談が多いものがあります。それは、中学校に自閉症及び情緒障害を持つ児童生徒を支援する学級を固定的に設置できないか、という相談です。まず現状についてです。現在東久留米市の公立小学校には、自閉症や情緒障害の児童生徒を受け入れる支援学級が市内2箇所にあります。それは南町小学校のたけのこ学級と神宝小学校のなのはな学級です。しかし小学校を卒業し、市内中学校に進学すると、この固定した学級である特別支援学級はなくなり、特別支援教室という形態のみになります。この特別支援教室とは、特別支援学級とは異なり、普段は通常の学級に通っており、一定時間、別の教室で指導を受ける形態です。一方の特別支援学級とは、常に通う固定されたクラスのことです。私が受ける相談とは、中学校に進学すると、小学校にあった固定クラスが存在しないため、中学校で学校に通うことができなくなった、できれば小学校同様の固定クラスを中学校にも設置できないか、との内容です。

2022年度の文部科学省の調査によると、通常学級に在籍する小中学生の8.8%に、学習面や行動面で著しい困難を示す発達障害の可能性がある、ということが明らかとなりました。このような子供たちは、他人との関係づくりやコミュニケーションなどが苦手な一方で、優れた能力が発揮される場合があります。中学校がこれらの子どもたちのために固定クラスを置かずに一時的な指導を行う背景には、すべての子どもたちは、いずれ社会で共に生きるのであるから、お互いを理解をするためにも、通常級の子どもたちと一緒に関わって育つのが良いという考え方があると思います。また自閉症や情緒障害を持つ生徒は、知的に遅れているわけではないので、できるだけ普通学級で過ごし、勉強を進めて、進学につなげてほしいという配慮もあるかと思います。ところが、私のところに来られる固定制の学級設置を求める保護者の方々は、ご自身の子どものためには、固定されたクラスの設置が必要であると、確信を持って話をされます。おそらくその一つの理由には、現在、通常のクラスに当該生徒が混じって勉強をするには、通常級側の受け入れ体制が十分には整っていない、ということがあるように思われます。それは例えば、教職員に対する当該生徒への指導方法や理解が浸透していないこと、また学級での絶対評価が徹底されておらず、当該児童生徒の学校の成績評価に1をつけることがあること、また、担任やサポートスタッフといった大人ではなく他の生徒が当該児童生徒の世話係となり迷惑をかけて心苦しいこと、などの話を保護者の方から並行して聞くことから考えられます。

またその一方で、高校の学びのあり方が、多様化していることも背景にあるかもしれません。昨今の高校は昔の高校と比べて、不登校の子どもたちを受け入れるチャレンジスクールや昼夜間定時制高校、エンカレッジスクールなど、様々なコースが用意されています。これらの高校では、小中学校の不登校経験者や高校中途退学経験者、特別な支援を要する生徒、日本語指導を必要とする生徒、学習習慣や生活習慣に課題のある生徒、を受け入れています。このように高校が、学びを多様化し選択できるコースを多数提供していることを考えると、市ではこれらの高校への進路選択の橋渡しとして、中学校の段階での学びの場の選択肢を増やしても良いのではないかと考えます。

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岩崎

Q1:文部科学省の調査(2022)によると、通常学級に在籍する小中学生の8.8%に、学習面や行動面で著しい困難を示す発達障害の可能性があることが明らかとなった。このような子供たちは、他人との関係づくりやコミュニケーションなどが苦手な一方で、優れた能力が発揮されている場合もあり、周りから見てアンバランスな様子が理解されにくい。このような子供たちが個々の能力を伸ばし、自立していくためには、子供のうちからの「気づき」と「適切なサポート」が必要である。
本市における特別支援教育の現状について伺う。

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行政

A1:本市では、知的な発達に支援が必要な子どもを対象とした知的障害学級と、対人関係の形成や社会生活への適応、行動面等に支援が必要な子供を対象とした自閉症・情緒障害学級を設置しています。知的障害学級は、小学校で4校、中学校で3校に設置されています。自閉症・情緒障害学級は、2校の小学校に設置されています。これらの学級は、各学校に固定的に設置されており、児童生徒は毎日これらの学級に通って、特別な教育課程の下、指導を受けています。
また、小・中学校に特別支援教室が設置されています。 特別支援教室の目的は、自閉症、情緒障害などの発達に課題のある児童生徒が学習上又は生活上の困難を改善・克服し、可能な限り多くの時間、在籍学級で有意義な学校生活を送ることができるようになることです。特別支援教室は、指導する教員が在籍している拠点校があり、拠点校の教員が3校程度の学校を巡回して指導しています。

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岩崎

Q2:市内小・中学校での特別支援教育の体制については理解した。
現在、本市では、自閉症・情緒障害の子どもを対象とする特別支援学級が中学校には設置されていないとのことである。小学校で固定の特別支援学級で過ごしてきた子供たちにとって、中学校でも同様の学級を望む声が聞かれるが、中学校における自閉症・情緒障害の特別支援学級設置についての考えを伺う。

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行政

A2:固定の特別支援学級は、障害の状態等に応じて、特別の教育課程を編成して、各教科等の他に、障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服するために必要な自立活動を取り入れる指導をします。
発達障害は、周囲がその発達のしかたを理解しサポートすることにより、障害をもちつつ適応していくことができたり、年齢とともに成長したりしていく部分もあります。このような子ども達にとって、大切なことは、早い時期から周囲の理解が得られ、適切な支援や環境の調整が行われることにより、自分らしさを大切にし、自己肯定感を高めることだと考えます。
本市では、小学校の早い段階から、特別支援教室や自閉症・情緒障害の特別支援学級において、環境調整や個別の支援によって心理的な安定を図ることやコミュニケーション力を高め、他者との意思疎通を図ること等に関する指導をしています。中学校では、その6年間の成長の上に、特別支援教室を中心に、継続して個別の支援を受け、生徒一人一人が抱える困難をより効果的に改善し、学力や集団適応能力の伸長を図ることができるように努めています。

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岩崎

Q3:小学校での適切な環境や指導を十分に生かすことで、中学校へ繋げているということは理解した。しかしながら、小学校での特別支援学級から中学校での通常学級への変化は、子供にとって大きな変化だと思われる。小学校から中学校への切れ目のない教育を実施するために、工夫されていることがあるか伺う。

最後に:小学校から中学校へ進学することは、児童や保護者にとって期待もありながら、大きな不安を抱くものである。その中で、小学校において、固定の自閉症・情緒障害特別支援学級で過ごしてきた児童とその保護者にとっては、中学校へ進学することだけでなく、通常の大きな集団に入らなければならないことが、さらに不安を増長させる声を聞いている。本市では、発達障害の子供やその保護者に対して、様々な工夫がされているとのことであるが、どのような児童・生徒にも安心して学べる場があることが何より大切であると考える。個々の状況に応じて、より適切な学びの場を選択できるように、中学校においても特別支援教室だけでなく、固定の自閉症・情緒障害特別支援学級を設置していただくことを要望します。

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行政

A3:小学校から中学校への指導の接続について工夫している点について、3点お答えします。
1点目は、就学支援シートや保護者の了解を得ながら作成する学校生活支援シート、個別の指導計画等を活用し、特性に応じた指導を継続するとともに、本人及び保護者の思いや願いを引き継げるように活用しています。
2点目は、小・中学校の教員同士が、入学前と入学後に情報を共有する場を設け、一人一人の状況について確実に情報を引き継ぎ、中学校入学前から児童の課題を把握し、当該生徒の教育課程や指導計画に反映させています。
3点目は、発達障害のある児童・生徒も、通常学級での指導方法の工夫や配慮により、充実した学校生活を送ることができることを踏まえ、小・中学校ともに、校内委員会と開くなど学校全体で児童・生徒の障害の程度や各学級、特別支援教室での状況を適切に把握するようにしています。一部の授業を抜けて特別支援教室で特別の指導を受ける児童・生徒に対しては、自尊感情に配慮するとともに、本人の自己理解・自己決定を尊重するとともに保護者の受容・理解にも努めています。
中学校の固定の自閉症・情緒障害特別支援学級の設置については、他市の情緒障害特別支援学級の設置及び運営上の成果と課題について情報収集しながら、今後も国や都の動向を注視し、調査・研究をしてまいります。

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