活動

令和5年6月 市内公立学校のPTAの現状について

議会報告

市内公立学校のPTAの現状について
・市内公立学校のPTA団体の位置付け
・ PTA費で購入されてきた物品の負担軽減について

2023年6月現在、市内公立小中学校では保護者と教職員で構成されるPTA団体が活動を行なっています。ここ数年コロナの感染拡大により活動を制限していましたが、活動を再開するところも多く、各学校のPTAの活動のあり方について保護者間で組織に対する疑問が噴出しています。

その背景には、まず第一にコロナ感染症の感染拡大以前からの働く女性の増加があります。PTAの会員として活動を支えているのは、その9割近くが母親です。1980年代に7割近く存在した専業主婦の時代は過去のものとなり、現在の専業主婦率は全国3割程度、東久留米市では令和4年のアンケート調査によれば15パーセント程度であり、母親たちは、フルタイムやパートタイム、在宅でのテレワーク、仕事をしていない場合は、乳幼児の育児や介護をしています。そこに加えてコロナの感染拡大があり、雇用の不安定化や経済的困窮、物価高騰等により、平日の参加となるPTA活動は仕事への足枷となりやすく、保護者である多くの母親の方々からは、PTAの活動が負担であるというご意見を頂いています。

さて、日本全国各地の学校においては、大きな流れとして、これまで学校保護者のほぼ全員が半強制的に加入していたPTAの入会方法を改め、任意団体として、加入の意思確認を行うなどの改革を進めています。それは市内公立学校も例外ではなく、市内においてもPTAは、従来のような保護者全員の団体ではなくなり、規模を縮小する傾向にあります。極端な場合には0人の可能性もあります。このような中で、従来通りにあらかじめ学校で必要であるとわかっているものをPTAが購入し続けることは、一部の保護者に費用負担感と不平等感を与えかねないと考えられます。

歴史を紐解けばPTAとはなぜ父兄会といった日本語ではなく、英語なのでしょうか?PTAのPとはParents、TはTeachers、AはAssociationのことで、これらの頭文字をとった略称です。PTAとは第二次世界対戦のあと、民主化教育のためにGHQと当時の文部省の指導のもとつくられた団体です。そもそもの起源は戦前のアメリカのPTA運動にあります。この戦前のアメリカでの運動に影響を受け、同時期に当時の東京市に学校後援会が結成されています。この後援会は実体的には学校に対する物的援助すなわち公費の補填を主な役割としていました。しかしその後、GHQの指導のもとPTAが日本に導入され、民主化教育を進めるための役割を付与されました。PTAに関する書籍によるところでは、学校とその子どもたちの親同士の集まりは戦前からあり、その多くは父兄会と呼ばれ、学校との関係を構築するのは男性でした。しかし終戦後、憲法もできて、婦人参政権も確立して、男性の後ろに隠れていた婦人たちも地域やコミュニティの運営の手法、民主主義のやり方を身につけなければならないと言う考えが、占領下の旧文部省とGHQであるアメリカの考えでした(岡田憲治『政治学者PTA会長になる』を参照)。そのためPTA組織は民主主義の基本形態を学べるようなフォーマットになっており、委員の役割、総会の意味、議決をすることの意味、会計処理の常識などを含む、広い意味で言えば、社会教育システムと言える建て付けになっていたのです(岡田参照)。そしてPTAは戦後程なくして社会教育法に基づき社会教育関係団体としての取り扱いを受けることになります。

東久留米市行政におけるPTAの所管が生涯学習課であるのは、社会教育法のもと、PTAが社会教育関係団体として位置付けられたことによります。ちなみに社会教育とは、学校教育法に基づいたもので、主に成人に対して行われる組織的な教育活動、体育及びレクリエーションの活動を含むものです。そのような経緯から、現在のPTAとは、二つの側面、すなわち戦後の日本の困窮した状況の中、学校活動の諸経費の援助や公費負担を進めてきた歴史と、その一方で、成人に対して行われる教育活動という、二つの側面を合わせ持つ団体であるといえます。

しかしこのようなPTAも、戦後およそ80年経つ2023年の現在、会員が減少し、PTA自体も消滅しかねない状況により、人手と予算の問題を抱えています。本日は、予算の問題に焦点を当てますが、人手の問題について一つ述べておきたいのは、人手の問題が学校や地域により異なること、また保護者がどの程度PTAを必要と感じるかどうかについても、子ども達の通う学校の状況により変わりうるということです。そこで本日の私の課題は、このような学校の状況や保護者の状況に応じて、保護者の方々が活動の規模を柔軟に変えられるように、PTAが毎年恒例として購入する物品負担を取り除くことができないかアプローチします。

市内公立学校のPTA団体の現状についてお聞きします。まず市としてはPTAをどのような団体として認識されているか、そしてそれに関する通達あるいは文書を出したことがあるかをお聞きします。そしてそれを踏まえてPTA団体は補助金を申請することが可能かを質問をします。そしてその回答を踏まえ、PTA費で寄贈されてきた物品の負担軽減の可能性を質問します。ここでは特に、市内公立学校において、卒業生が卒業式で手渡される卒業証書のホルダーを取り上げます。現在市内小中学校では、卒業生徒には証書のみを渡し、ホルダーはこれとは別にPTAが寄贈する形をとっています。この寄贈が、PTA組織が新しく形態を変える際に、保護者間で論争となる点です。この寄贈を負担軽減できないか質問します。

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岩崎

Q1:市としてはPTAをどのような団体として認識されていますか。そしてそれに関する通達あるいは文書を出したことはありますか。

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行政

A1:PTAは児童生徒の健やかな成長を目的とし、各学校の保護者と教職員により組織され、個々の在り方や運営について自主的に判断していく社会教育団体であり、学校運営に多大なるご支援ご協力をいただいております。次に、各所中学校に発出した通知についてです。社会教育団体は、公の支配に属さない団体であり、地方公共団体はその事業に干渉を加えてはならないものとされています。本年2月には、PTAの加入などについて国会で質問がされるなど、全国的に関心が高まっている状況があり、当市においては、東久留米市小中学校PTA連合会が平成29年度をもって活動を休止しておりますので、市教育委員会として社会教育団体を所管する生涯学習課より、教育委員会に報告した上で、小中学校長に対して、改めてPTA運営に関する基本的な事項をお示ししたところです。

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岩崎

Q2:市はPTAを社会教育関係団体であると認識していることがわかりました。それでは市の社会教育関係団体にはPTAのほかにどのようなものがあるか教えてください。また、生涯学習課において、社会教育関係団体の活動に対する補助制度を有しているか伺います。

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行政

A2:社会教育関係団体に関するご質問にお答えします。生涯学習課では、生涯学習、スポーツ及び文化財に関連する社会教育関係団体の協力を得ながら、各種事業を進めておりますが、社会教育関係団体は、公の支配に属さない団体とされており、全体の把握はしておりません。
次に補助金についてお答えいたします。生涯学習課では、生涯学習の振興を目的とし、生涯学習活動費補助金交付要綱を設置し、団体の活動を支援しています。なお、当該補助制度の創設にあたっては、他の補助制度同様に東久留米市共通業務運用指針を踏まえ、目的や妥当性などを精査した上で定めております。

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岩崎

Q3:市内PTAは、市内にある社会教育関係団体の一つであること、また社会教育関係団体の中には生涯学習活動費補助金を受けている団体があることがわかりました。現在、補助金の交付を受けている団体と同様に、PTAも生涯学習活動費 補助金の申請を行うことは可能でしょうか。
ーー現在PTAは補助金交付の対象となっていないことがわかりました。ただいまの一連のやり取りにより、法律の建て付けとしては、PTA団体とは、むしろ補助金の申請をする側の団体であり、毎年恒常的に決まった予算額を組むのに適した団体ではないことがおわかりいただけたかと思います。

それでは次に、現状PTAが毎年決まって生徒に寄贈する物品、ここでは具体的に卒業式の卒業証書のホルダーに関わる費用について論点を移していきます。

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行政

A3:生涯学習活動費補助金は、生涯学習の振興を目的とした補助制度であり、要綱において、スポーツ振興などを目的に活動する団体、市民文化の向上などを目的に活動する団体、市の歴史的文化遺産の調査、研究、普及などを目的に活動する団体の3団体を対象として定めております。よって、これら3団体以外は補助の対象外となります。

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岩崎

Q4:市内小中学校の卒業式に児童生徒に贈られる記念品は、誰からいくらくらいの金額のものが贈られているのか。またそれらは誰により決められているのかを伺います。

先ほどのご答弁から、市から卒業生に贈られる記念品には英和辞典や印鑑とそのケースなどがあり、予算が児童一人当たり1200円であることがわかりました。そしてそれら記念品の選定は、各学校から購入申請があり、各学校でどのように決めているかまではわからないとのことでした。この小学校卒業記念の英和辞典ですが、最近は、英語の学習はすでに小学校から始まり、授業が行われています。辞書を卒業時ではなく、もっと早い段階、例えば4、5年生などに無償で児童生徒に配布できないでしょうか。ご検討ください。話をPTAに戻します。

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行政

A4:卒業記念品は、児童生徒一人当たり1200円程度とし、教育委員会で購入し、市内小中学校の卒業式では、「教育委員会もしくは東久留米市からの寄贈」として紹介されております。記念品の具体の内容を令和4年度の卒業式を例に挙げますと、小学校では、英和辞典が大半を占め、中学校では、印鑑とケースのセットが主流でございました。これらの品物は、各学校から記念品として購入申請を受け、教育委員会で購入しておりますが、その品目がどのようなプロセスで決められるかは、各校によるところと承知しております。

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岩崎

Q5:卒業証書の筒、ホルダーは学校でPTA保護者が負担していることがわかりました。卒業証書は、証書だけを持ち運ぶには不便な形状であり、証書をホルダーに入れて運ぶことが想定されます。このようなあらかじめ必要だと想定され毎年決まって購入している物品については、公費で購入することをご検討いただけないか、見解をお聞かせください。

最後に:それではPTAで決まって購入している卒業証書のホルダーを公費で一括購入できるよう、ご検討くださいますよう要望します。ただし、市内の児童生徒で英語の辞書を持っていないという児童生徒が出てこないように調整した上で、卒業時の記念品をご検討いただきますようよろしくお願いいたします。

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行政

A5:教育委員会としましては、PTAとしても卒業生に対し、何らかの記念品を贈りたい、との思いがあるのだろうと推察いたします。このことは、学校自治の範疇における対応という認識でおりますが、議員ご提案の、卒業証書のホルダーを公費で購入することについては、各校からの購入申請をもとに、先ほど例に挙げた英和辞典などの記念品を含めた予算の範囲内で、対応することも可能と考えます。

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