
東久留米市のゼロカーボンシティに向けた市の取り組みについて
先月の2月21日の東久留米市の最高気温は25度と高く、その三日後の24日の最高気温は4度しかありませんでした。また昨年の夏の暑さも深刻で、7月には37.7度という体温以上の気温を記録しています。35度以上の猛暑の日も、増加傾向にあります。昔の東久留米市はこのような気候ではなかった、20?30年前の東京はこんなに暑くなかったと話す方も多く、地球温暖化や気候変動が、東久留米市の日常生活の中でも、体感されるまでになっています。このような異常気象や気候変動が、降水量や海面水位の変化、生態系の喪失といった、自然界に大きな影響を与え、それにより、インフラや食料不足、水不足 など、私たちの日常生活に深刻な影響を与える懸念があることは、よく知られています。2015年に日本は、第21回国連気候変動枠組 条約締約国会議(COP21)において、京都議定書に代わる温室効果ガス排出削減等のための、新たな国際的枠組みとして、「パリ協定」に合意しました。その後、世界が、脱炭素社会実現に向けて、加速度的に取り組むなか、日本もまた目標を前倒しし、2020年には、2050年を目標とし、脱炭素社会を実現することを宣言しました。これを受けて自治体や企業では、2050年の二酸化炭素排出量、実質ゼロを打ち出すところが増えてきます。
さて東久留米市もまた2023年3月1日にゼロカーボンシティ宣言を行いました。この「ゼロカーボンシティ」とは、2050 年の二酸化炭素排出実質ゼロ、を目指す旨を公表した、地方自治体のことで、2022年12月の時点で823の自治体があります。国は、2021年の気候サミットを受けて、2030年までに二酸化炭素排出量を二酸化炭素排出量が最悪であった2013年の46%削減するとしました。これは、2050年に脱炭素社会を実現するために、逆算し算出した中間目標です。現在、東久留米市の二酸化炭素排出量は、2022年には、30万7千トンです。国が2021年に掲げた目標、すなわち2013年の46%削減を、2030年に東久留米市が達成するには、概算ですが、今後6年間で、二酸化炭素の排出量をおよそ10万トン減らし、排出量を20万トン程度にする必要があります。これは東久留米市がおよそ38万トンの二酸化炭素を2013年に排出していたことによります。またこの宣言の中では、パリ協定の長期目標にも言及しています。この長期目標とは「世界の平均気温上昇を産業革命以前と比べて2度より十分低く保ち、1.5度以内に抑える努力をする」というものです。この世界の気温上昇に関しては、石炭や石油などの化石燃料を燃焼し発生する二酸化炭素が大きく影響することが知られています。
Q1:先月金融庁が、上場企業に対し、温室効果ガス排出量の開示を義務付ける方針を示しました。市内上場企業の中には、すでに使用電力を太陽光パネルによる再エネ電力に切り替え、ゼロカーボン社会実現に取り組んでおられる事業所もあります。東久留米市の宣言の中にも、市民・事業者・行政か゛一体となり「2050年セ゛ロカーホ゛ン社会の実現」を目指すとあります。この宣言の通り、ゼロカーボン社会は、一部の人が努力しても効果の少ないものです。そこで改めて、これから本市が「市民・事業者・行政が一体」となったゼロカーボンシティの実現に向けてどのような取り組みを行なうか伺います。 また東久留米市内にはごみの中間処理施設、柳泉園クリーンポートがあります。二酸化炭素排出量削減は、中間処理施設である柳泉園や二つ塚 最終処分場における取り組みと切ってもきれない関係にあります。ごみ発電は、新たに化石燃料を購入することなく電力を発電することから、地球温暖化を進行させる石炭や石油などのエネルギー由来の二酸化炭素排出削減に貢献しているといえます。しかし、2050年の目標に近づくためには、今後CO2排出量を抑えたまま電力の燃焼効率を上げることが重要となります。この燃焼効率を上げる目標のためには、市内のクリーンポートにおいて、高効率の発電炉を導入するか、家庭から出される生ごみの水分量を減らし発電効率を上げることが必要となります。本市は、CO2削減のために、廃棄物を減量し、資源を循環利用する取り組みを行なっています。廃棄物の減量などは、さまざまな媒体で耳にすることが多く、今の時代には、よく知られている取り組みです。しかし、他方で、可燃ごみを乾燥させてごみに出すことが、二酸化炭素排出量削減になることは、廃棄物の減量ほど注目されていないように思います。その理由の一つには、中間処理施設での可燃ゴミの焼却過程が、家庭から集められた可燃ゴミをかき混ぜ、乾燥させてから、850度で燃焼させるストーカ方式であることが、あまり知られていないことも、一因としてあるかもしれません。現在本市では、ゴミの水分量を減らすための、生ごみ減量機への補助制度があります。今後電動式のものについては助成を修了し、非電動式のものについては引き続き助成すると聞いています。各家庭からの協力が必要な、家庭から出る可燃ゴミの水分量を減らす取り組みは今後一層重要となると考えます。
A1:市行政についての1点目、ゼロカーボンシティに向けた具体的な取組みにつきましてご質問にお答えいたします。本市では、令和5年3月に「ゼロカーボンシティ宣言」を表明し、フードドライブやリユースチャレンジ、コカ・コーラボトラーズジャパン株式会社との協働によるペットボトルの水平リサイクルなど、市民の方々が日常生活の中で取り組める脱炭素社会の実現に向けた事業等を推進してまいりました。加えて、減災レジリエンス強化の視点も含め、市本庁舎に再生可能エネルギー等を活用した非常用電源設備を設置し、令和5年9月より稼働を開始しているとともに、同年10月より、柳泉園クリーンポートのごみ発電により創られるCO2排出量ゼロとして取り扱われる電力のうち、余剰となる分を、本庁舎を含む24の公共施設での活用を開始しております。
さらに、令和6年度には、東久留米市スポーツセンター再生可能エネルギー等導入事業の開始や、地球温暖化対策地方公共団体実行計画(区域施策編)の策定に向けた検討にも着手することを予定しているところでございます。こういった取組みを積み重ね、廃棄物の更なる減量、資源の循環利用や減災レジリエンスとの連動等図りつつ、2050年ゼロカーボン社会の実現を目指してまいります。
Q2:加えて一点、このような可燃ゴミの出し方に加えて、不燃ゴミの排出に関しても同様に、各家庭からの協力が必要なものがあります。それは、不燃ごみに混入したリチウムイオン電池とごみの中間処理施設の火災問題です。近年、ごみ中間処理施設で発生する火災の問題は全国的な問題となっています。2023年5月の報道によれば、全国自治体の中でごみ処理場の火災があった施設は、およそ6割になるそうです(2023年5月朝日新聞デジタル)。このようなごみ処理施設の火災の発生は、さまざまな家電製品に使われている小型充電式電池が主な原因であることが知られています。この小型充電式電池、リチウムイオン電池とは、パソコンや携帯に使用されるバッテリーのことで、圧力がかかると火を吹くものです。市内の柳泉園組合では令和2年、3年4年5年と毎年のように火災が起きていますが、令和5年2月に発生した、柳泉園の不燃・粗大ゴミ処理施設 集積所の火災は、不燃ごみに混入したリチウムイオン電池等が発火、周辺ごみに引火したことによる ものと推測されています。市民の暮らしの安全の観点からも、また市内の火災を減らしゴミ処理場で働く方々の身の安全のためにも、リチウムイオン電池の廃棄について、どのような取り組みが必要か伺います。また柳泉園クリーンポートの余剰電力活用もゼロカーボンシティに向けた取組みとのことですが、現在ごみの焼却で年間どれくらいの電力が発電されているのか。また発電された電力の売電及び市の公共施設への供給状況をお伺いします。
A2:次に、リチウムイオン電池等による発火事故を防ぐための取組みについてでございます。東京消防庁の取りまとめによりますと、東京都管内における清掃車両の火災事故は令和2年以降増加傾向にあり、かつてはエアゾール缶等がその主たる要因でしたが、近年では小型充電式電池を要因とする発火件数が上回る状況にあるとのことです。小型充電式電池による発火の原因には、メーカーが製造・販売しているものではない非純正品バッテリーの使用、専用の充電器を使用しないことによる過充電の発生、電池の損傷や過度な加圧などがあげられますが、ごみ処理の現場における発火原因は主に損傷や過度な圧力がかかったことによるものであります。他のごみと共に廃棄されますと、各家庭からごみ収集車が回収する際の巻き込みで圧力がかかる可能性や、中間処理施設における燃やせないごみなどの破砕処理で損傷する可能性があり、それぞれ発火の原因となります。家庭から収集する際の指定収集袋に含まれる異物の確認、また各中間処理施設においても小型充電式電池の分別に努力をしているところではありますが、他のごみに混入しますと取り除くことが困難な状況があり、小型充電式電池を原因とする発火事故を無くすためには、廃棄する段階での分別が非常に重要となります。
市では小型充電式電池の取り外しが困難な製品につきましては、モバイルバッテリーを始めとする特定4品目について有害ごみとして回収し、それ以外の製品につきましては小型家電回収ボックスへの廃棄を呼び掛けております。市民の皆様及び市内事業者におかれましては、引き続き小型充電式電池の分別廃棄にご協力を頂ければと思います。A2:柳泉園クリーンポートでのごみ焼却による発電についてでございます。
令和4年度の実績を元に申し上げますと、総発電量は年間約2,100万kwhであり、このうち柳泉園の管理棟や各工場で使用される電力が1,200万kwhほどで、これを除いた約900万kwhを売電している状況とのことでございます。このうち、年間で約530万kwhほどが昨年10月から地産地消事業が開始されたことにより、市の公共施設に供給されることとなります。今後は実績等に基づいて電力の地産地消事業を精査し、柳泉園で発電される電力を有効活用できるよう柳泉園及び構成三市と協議を行っていく予定でおります。
Q3:総発電量の約半分は柳泉園で消費され、それ以外は売電し、約4分の1は市内の公共施設に供給していることがわかりました。このように、柳泉園のクリーンポートで焼却する際のエネルギーを利用して 発電した電力を公共施設で使用し、ゼロカーボンに向けた取組みを進めていることがわかりました。この燃やせるごみの焼却ということについて、生ごみは水分を多く含み、燃焼効率を下げるということを聞きますが、実際どういった状況なのか、また、燃焼効率をあげるための取組みはあるか、お伺いします。
A3:燃やせるごみの焼却についてでございます。環境省の資料などを見ますと、生ごみの約80%が水分といわれており、中間処理施設では燃やせるごみについてはごみを撹拌するなどして、水分を均質化したうえで焼却を行っている状況がございます。こうした取組みに加え、燃焼効率を上げるには家庭から生ごみを廃棄する際に水分量を減らすことも重要であり、生ごみを水で濡らさない、三角コーナーに入れるなどして一定時間経過した後に廃棄する、水切りネットを使いひと絞りをするといったちょっとした工夫により効果が得られるとのことでございます。このような家庭で手軽にできる取組みを市民の皆様にご協力いただけるよう、広報、ホームページなどを通じて啓発に努めてまいりたいと考えております。
Q4:広報、HPなどで、家庭でできる取り組みを紹介頂けるということがわかりました。生ごみから水分を除去することは、生ごみの減量化を図ることでもあると思われます。現在、市では生ごみ減量機の購入助成を行っているとのことですが、これにより生ごみの減量が進むのか今後の方向性を伺います。
A4:生ごみの減量についてでございますが、水分を除去するなど、廃棄する際にひと手間をかけていただくことで実現できるものと考えております。生ごみ減量機の購入助成は、廃棄されるごみの嵩を減らすことを目的として実施しており、実際、減量機が各家庭で使用されることで生ごみの減量に資する部分があると考えております。その一方で、近年では食品ロスの視点から、過剰な除去、食べ残し、直接廃棄をしないなどの方法により、生ごみの発生量を減らすことが重視されており、生ごみ減量機につきましてもこうした流れに沿った活用、助成がなされるよう検討すべきものと考えております。
Q5:生ごみ減量機が有効であるという判断についてはわかりました。今後とも減量機の購入助成や食品ロスの減量について引き続き取り組みをお願い致します。さて、ご家庭からの協力が必要な生ごみの問題について見てきましたが、もう一つ、ご家庭からの協力が欠かせない課題があります。それはパソコンや携帯のバッテリーなどの、小型 充電式電池です。小型充電式 電池はその他のごみと一緒に廃棄すると発火の原因となるため、廃棄の際の分別が重要とのことですが、市民及び事業者に対する周知、啓発をどのように行っているのかおうかがいします。
要望:リチウムイオン電池の回収方法の改善は、発火事故に対するイメージを持っていただくことが重要でありますが、回収時にポイントが付与される等のことがあれば、分別回収に効果があると思いますので、ぜひご検討いただければと思います。
A5:小型充電式電池の分別回収に向けた市民周知等につきましては、市の広報にリチウムイオン電池からの発火の状況を示した写真を掲載したり、特定4品目を図で表記するなど、発火事故に対するイメージをよりもっていただきやすいような工夫を行っているところでございます。
また、本年度に実施しました指定取集袋の全戸配布事業では、民間事業者と連携して作成した啓発用のお知らせも配布しております。現在、東京消防庁、都内の各自治体が連携し、Ⅹなどを利用した普及啓発に努めており、本市におきましてもこうした動きに合わせて広く周知に努めてまいりたいと考えております。